フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ
2012年11月1日発刊
著者 E.L.ジェイムズ(訳者 池田真紀子)
発行所 早川書房
女子大生のアナスタシアは風邪をひいた親友の代わりに、巨大企業の若きCEOクリスチャン・グレイをインタビューする。二人は急激に惹かれ合うが、グレイにはある「秘密」があった。
「フィフティ・シェイズ」シリーズ
アメリカの主婦の間で大流行していると散々話題になり世界で1億2500万部以上売れた大ベストセラー、映画化もされた作品です。流行当時、その過激な内容から「マミーズポルノ」といわれていました。E.L.ジェイムズの「フィフティ・シェイズ」シリーズの第1作目です。ちなみに第2作目は「フィフティ・シェイズ・ダーカー」、第3作目は「フィフティ・シェイズ・フリード」。グレイ視点から物語を追った「グレイ」も出ています。
2015年1月に文庫版(上中下巻)が発売されていたので、そちらを買ってみました。
映画版との比較
本を読む前に、映画「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」を見ていたのですんなり入っていけました。でもなんとなくグレイ役のジェイミー・ドーナンは本を読んでみるとちょっとイメージ違ったかな。
映画と比べると、やはり映画より原作の方が作り込まれています。そして原作の方が過激な内容でした。視覚的に映像でみられる方が建物とかわかりやすいですけどね。映画版は音楽も良かったです。
あとこれは訳し方にもよるのかもしれないですが、映画よりも原作の方が若々しい雰囲気があります。主人公アナスタシアがキャピキャピしてる感じ。文章の中にも「うわぁ。」とかがちょいちょい入ってくるのですごいライトな読み物という印象でした。気軽に読みやすくてどんどん読んでしまうんだけどね。
キュンキュンさせる
内容としてはキュンキュンする恋愛+SMポルノといった感じ。しかもSMポルノといってもそこまで過激な内容のSMではないのでキュンキュンの延長線上といった感じでした。読者をドキドキ・キュンキュンさせること必須。むしろ「もしも影のある大金持ちが私に恋をしたら」っていう夢小説みたい。
「四年前にライセンスを取った。私といれば危険はない」そう言って意地の悪い笑みを作った。「少なくとも、ヘリで飛んでいるあいだは」そう付け加えてウィンクした。
当然よね。彼の自宅があるビルの屋上にはヘリポートだって備わっているに決まっている。
こういうセンテンスがすごい頻度で出てきます。グレイは大金持ちで成功者で楽しませ上手でヘリも操縦できて、本好きで冴えない感じのアナスタシアに盲目的に恋するの。
まとめ
この作品は、誰もが主人公アナスタシア共感しやすく・入り込みやすく、そして誰もがグレイに恋をしてしまうような、恋愛話の王道を言っているようなポルノ小説です。
性描写が多いのと結構そのものズバリ書いてある(日本の小説のようなあくまで”美しく表現する”という姿勢はあまりないかも)ので、そういう要素が苦手な方はとことんダメだと思います。苦手な方以外になら結構幅広く受け入れられるでしょう。
ちょっと最近ドキドキ・キュンキュンしてないなあという人、恋から遠ざかってるわーという人にオススメ。「主婦の間で流行った」というの、読んでみると納得しますよ。