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Reading Journal

読書の記録や雑記など。ネタバレ含みます。

イノセント・デイズ/早見和真

2014年8月22日発売
著者 早見和真
発行所 新潮社

元恋人の妻とその双子を放火により殺めた罪で田中幸乃は死刑を宣告された。この犯行の裏には一体何が起こっていたのか、彼女の人生はどうしてそこへ行き着いたのか。

 

話題の長編ミステリ

日本推理作家協会賞受賞、ということで話題の長編ミステリです。文庫化されていることもあり、読んだよという方も多いのではと思います。何度かTwitterや読書ブログでもタイトルを見かけているので有名な作品かなと。

著者の早見和真については私は恥ずかしながら見識がありません。他の作品も読んだことがありません。かろうじて「ひゃくはち」はタイトルだけ書店かどこかで見かけたことがあるような気がするようなしないような。今回この小説を読むに至ったのは知人からのススメがあったからで、まあおおよそ自分では選びそうにない作品と言えます。

 

感想

面白かったです。

私が特に面白いと思ったのはこの小説の構成にあります。田中幸乃に宣告された判決文の内容に沿うように小見出しがつけられており、それに対応する彼女の過去が誰かの視点から語られるという構成。これが特に面白いと思いました。
私たち読者は、まったくどんな人か知りもしない「田中幸乃」について、この第一部で知っていくことになります。そして文庫版の解説で辻村深月が書いているように「彼女を信じたい」「救いたい」という気持ちが読者の中で育まれていく。

ただ納得できない

ただ私はこの物語の第二部については、あまり心を動かされませんでした。というのも幼馴染みとして登場する青年二人に感情移入や共感できなかったのが大きい要因かもしれません。そして結局、私は田中幸乃のことも、本当の意味で理解することはできなかったのだと感じます。
私はこの物語に対して、もっと違う形の結末を望んでいました。それは彼女を「救いたかった」からです。彼女は自分を本当の意味で信じ、必要としてくれたただ一人の青年を最終的には裏切り・傷つけたではないか、と憤りさえ感じてしまうのです。